これまで経理の経験がまったくなかったり、まだ個人事業での収入が少ない場合は白色申告で充分だといえます。
特に経費が少額の場合も、経理の事務に時間をかける利点がそれほどないことから白色申告が向いているといえます。白色申告の帳簿は手間の少ない単式簿記で大丈夫です。
反対に経理事務に時間を費やすことが出来、10万円を節税したい場合は青色申告を選びます。特に不動産や株式から収入がある場合はどのみち決算書の作成が必要なので、青色申告を選んだほうがお得になります。
「特別控除を受けたいけど複式簿記は結構大変、、、」と思われる方もいると思います。
そのような方にオススメなのが「簡易帳簿の青色申告」です。
控除される金額は10万円と少ないですが、単式簿記で作成できます。
帳簿も白色申告よりも少し多い種類の帳簿を作成する必要がありますが、それほど大変ではありません。
青色申告では最大65万円の特別控除を受けることができますが、これには正式の複式簿記で毎日の取引を記帳する必要があるので、10万円の控除の場合と比較すると事務負担が膨大になります。
しかし、人件費を経費にできる法人会社や、会計や税務に詳しい人がいる場合、高額の資産を事業に使っている場合などは受けられる利点を考えると65万円の特別控除を選んだ方がいいでしょう。
65万円の特別控除を狙う場合には、発生主義で複式簿記をつける、領収書や請求書・銀行振り込みの控えなどをとっておくことが必要です。
また、この帳簿や領収書などは7年間の保存義務がある点にも気を付けなければなりません。
提出期限
すでに事業をされている個人事業主の青色申告書の提出期限は原則として3月15日です。ただし3月15日が土・日・祝日のいづれかに該当する場合、それらの日の翌日が期限となります。
1月1日から1月15日の期間以降に事業をされる場合は開始日から2か月以内が提出期限となります。提出期限までに納税地を管轄する税務署へ提出が必要です。
また青色申告をするためには固定資産台帳、総勘定元帳、仕訳帳の3つの帳簿の提出が必須です。そこで帳簿付けの3つのポイントを下記に紹介します。
まず65万円の控除を受けるためには正規の複式簿記の原則で記帳しなくてはなりません。複式簿記とは貸借対照表と損益計算書を作成できる記帳方法のことです。
損益計算書を作成する際のポイント
貸借対照表と損益計算書を作成するに当たって損益計算書の勘定科目を使用する際には3つのポイントがあります。
ポイント1:一定のルールを決めておく
一定のルールを決めておくのは1つ目のポイントです。
毎年同じ勘定科目で処理をすることで収支の比較や経営状態の比較がしやすくなります。
ポイント2:補助簿をつけておく
2つ目は主要簿に加えて補助簿をつけておくことです。補助簿には今会社にどのくらい現金があるかなど個別情報を総勘定元帳から一瞬で把握できるので経営状態を数字で把握することができます。
補助簿としては現金出納帳、普通預金出納帳、売掛帳、買掛帳、賃金台帳、固定資産台帳が挙げられます。
ポイント3:会計ソフトを活用すること
3つ目は会計ソフトを活用することです。会計ソフトの1番のメリットは帳簿間の転記を正確に行ってくれることです。
1つの帳簿に記入するとソフトがもれなく総勘定元帳に入力してくれます。そのため簿記の知識がなくても記帳できるので、経理にかかる手間が省け効率的に申告業務を進めることができます。
納税地
仕事をして稼いだお金には、原則、所得税と呼ばれる税金が課せられます。
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これは、どのような職種においても同様に徴収される税金で、働く人は全員支払っています。
この税金は、確定申告をして税務署に支払うことになっていますが、サラリーマンのように会社に勤めている人であれば、給料からあらかじめ天引きされていて、会社が代わりに納税してくれているので確定申告の必要はありません。
しかし、個人事業主の場合会社が代わりに行ってくれるといったことはないので、自分で申告する必要があります。
この確定申告の申請書には、納税地という欄があります。この納税地には、住所地、居所地、その事務所等の所在地という三つの項目があります。
基本的には、納税地は住所地となり、この納税地を担当している税務署に対して所得税を支払う形になります。
では、納税地が居所地となる場合はどのような場合かというと、国内に住所がなくて居所がある人とされています。
つまり、自分の住所は日本にはなくて、住所が日本以外の海外になっている人のうち、日本国内での居所があるという人がこちらに当てはまるということです。
納税するというのは、日本国民全員の義務なので、納税するときには間違いなく正確に指定された金額を納めなければいけません。
そのためにも、申請書類の記入項目が間違っているという事態は防いでおく必要があります。納税地も、自分の状況に応じて正しいものを申請用紙に記入しなければなりません。
納税地は、多くの人にとっては住所地と同じです。そうしたことをきちんと理解しておいた上で、正しい所得税の支払い方をしておかなければなりません。