- 1. 減価償却とは
- 2. 固定資産の耐用年数|建物、建物付属設備
- 3. 固定資産の耐用年数|構築物、生物
- 4. 固定資産の耐用年数|車両・運搬具、工具
- 5. 器具・備品の耐用年数
- 6. 固定資産の耐用年数|機械・装置
- 6.1. 機械・装置
- 6.1.1. 農業用設備
- 6.1.2. 林業用設備
- 6.1.3. 食料品製造業用設備
- 6.1.4. 飲料、たばこ又は飼料製造業用設備
- 6.1.5. 繊維工業用設備
- 6.1.6. 木材又は木製品、製造業用設備
- 6.1.7. 家具又は装備品製造業用設備
- 6.1.8. パルプ、紙又は紙加工品製造業用設備
- 6.1.9. 印刷業又は印刷関連業用設備
- 6.1.10. ゴム製品製造業用設備
- 6.1.11. なめし革、なめし革製品又は毛皮製造業用設備
- 6.1.12. 窯業又は土石製品製造業用設備
- 6.1.13. 鉄鋼業用設備
- 6.1.14. 金属製品製造業用設備
- 6.1.15. 林業用設備
- 6.1.16. 鉱業、採石業又は砂利採取業用設備
- 6.1.17. 総合工事業用設備
- 6.1.18. 倉庫業用設備
- 6.1.19. 運輸に附帯するサービス業用設備
- 6.1.20. 飲食料品卸売業用設備
- 6.1.21. 飲食料品小売業用設備
- 6.1.22. その他の小売業用設備
- 6.1.23. 宿泊業用設備
- 6.1.24. 飲食店業用設備
- 6.1.25. 洗濯業、理容業、美容業又は浴場業用設備
- 6.1.26. その他の生活関連サービス業用設備
- 6.1.27. 自動車整備業用設備
- 6.1. 機械・装置
- 7. 減価償却資産の種類と耐用年数まとめ
- 8. おまけ:非減価償却資産とは
減価償却とは
「社長が見るブログ」で何度か取り上げている減価償却と固定資産ですが、まだ理解しきれていない社長がいるかもしれません。
もちろん、社長だけではなく、経理担当、営業マン、企画担当……、というわけで、減価償却と固定資産くらいは仕事に携わる全ての方が知っておくべき知識だと思います。
減価償却や固定資産に関しては、こちらを参照してください。
固定資産とは、会社が複数年にわたって所有・使用する資産になる対象物のことです。
固定資産には、有形固定資産と無形固定資産の2種類があります。
有形固定資産は、不動産、車、機械、土地、建物など形があるもので、無形固定資産は、営業権、特許権、ソフトウェア、各種利用許諾件などの形がないものです。
固定資産の反対は流動資産と言い、現金、有価証券、債権、原材料、商品など一時的に企業が所有、または1年以内に現金化できる資産のことです。
さて、固定資産を持っている会社であれば、気になるのが耐用年数とそれにかかわる減価償却額です。
今回は、減価償却額を決定する固定資産の耐用年数のお話をしたいと思います。
ちなみに、減価償却される固定資産を減価償却資産、減価償却されない固定資産を非減価償却資産と言います。
減価償却資産はかなり多岐にわたりますが、あらかじめ自社に必要な減価償却資産の耐用年数を知っておくことで、税効果会計に役立てましょう。
では、以下の国税庁のサイトを参考にして、減価償却資産の耐用年数をざっとご紹介していきます。
固定資産の耐用年数|建物、建物付属設備
建物
木造・合成樹脂造のもの
事務所用のもの:24年
店舗用・住宅用のもの:22年
飲食店用のもの:20年
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの:17年
公衆浴場用のもの:12年
工場用・倉庫用のもの(一般用):15年
木骨モルタル造のもの
事務所用のもの:22年
店舗用・住宅用のもの:20年
飲食店用のもの:19年
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの:15年
公衆浴場用のもの:11年
工場用・倉庫用のもの(一般用):14年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの
事務所用のもの:50年
住宅用のもの:47年
飲食店用のもの
延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの:34年
その他のもの:41年
旅館用・ホテル用のもの
延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの:31年
その他のもの:39年
店舗用・病院用のもの:39年
車庫用のもの:38年
公衆浴場用のもの:31年
工場用・倉庫用のもの(一般用):38年
れんが造・石造・ブロック造のもの
事務所用のもの:41年
店舗用・住宅用・飲食店用のもの:38年
旅館用・ホテル用・病院用のもの:36年
車庫用のもの:34年
公衆浴場用のもの:30年
工場用・倉庫用のもの(一般用):34年
金属造のもの
事務所用のもの
骨格材の肉厚が、(以下同じ。)
4㎜を超えるもの:38年
3㎜を超え、4㎜以下のもの:30年
3㎜以下のもの:22年
店舗用・住宅用のもの
4㎜を超えるもの:34年
3㎜を超え、4㎜以下のもの:27年
3㎜以下のもの:19年
飲食店用・車庫用のもの
4㎜を超えるもの:31年
3㎜を超え、4㎜以下のもの:25年
3㎜以下のもの:19年
旅館用・ホテル用・病院用のもの
4㎜を超えるもの:29年
3㎜を超え、4㎜以下のもの:24年
3㎜以下のもの:17年
公衆浴場用のもの
4㎜を超えるもの:27年
3㎜を超え、4㎜以下のもの:19年
3㎜以下のもの:15年
工場用・倉庫用のもの(一般用)
4㎜を超えるもの:31年
3㎜を超え、4㎜以下のもの:24年
3㎜以下のもの:17年
建物附属設備
アーケード・日よけ設備
主として金属製のもの:15年
その他のもの:8年
店舗簡易装備
3年
電気設備(照明設備を含む。)
蓄電池電源設備:6年
その他のもの:15年
給排水・衛生設備、ガス設備
15年
固定資産の耐用年数|構築物、生物
構築物
農林業用のもの
主としてコンクリート造、れんが造、石造又はブロック造のもの
果樹棚又はポップ棚:14年
その他のもの:17年
主として金属造のもの:14年
主として木造のもの:5年
土管を主としたもの:10年
その他のもの:8年
生物
牛
繁殖用
役肉用牛:6年
乳用牛:4年
種付用:4年
その他用:6年
馬
繁殖用:6年
種付用:6年
競走用:4年
その他用:8年
豚
3年
綿羊及びやぎ
種付用:4年
その他用:6年
かんきつ樹
温州みかん:28年
その他:30年
りんご樹
わい化りんご:20年
その他:29年
ぶどう樹
温室ぶどう:12年
その他:15年
なし樹
26年
桃樹
15年
桜桃樹
21年
びわ樹
30年
くり樹
25年
梅樹
25年
かき樹
36年
あんず樹
25年
すもも樹
16年
いちじく樹
11年
キウイフルーツ樹
22年
ブルーベリー樹
25年
パイナップル
3年
茶樹
34年
オリーブ樹
25年
つばき樹
25年
桑樹
立て通し:18年
根刈り、中刈り、高刈り:9年
固定資産の耐用年数|車両・運搬具、工具
車両・運搬具
一般用のもの
自動車
小型車:4年
貨物自動車
ダンプ式のもの:4年
その他のもの:5年
報道通信用のもの:5年
その他のもの:6年
2輪・3輪自動車:3年
自転車:2年
リヤカー:4年
運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用のもの
自動車
小型車:3年
大型乗用車(総排気量が3リットル以上):5年
その他のもの:4年
乗合自動車:5年
自転車、リヤカー:2年
被けん引車その他のもの:4年
工具
測定工具、検査工具
5年
治具、取付工具
3年
切削工具
2年
型、鍛圧工具、打抜工具
プレスその他の金属加工用金型、合成樹脂、ゴム・ガラス成型用金型、鋳造用型:2年
その他のもの:3年
活字、活字に常用される金属
購入活字:2年
自製活字、活字に常用される金属:8年
器具・備品の耐用年数
器具・備品
家具、電気機器、ガス機器、家庭用品
事務机、事務いす、キャビネット
主として金属製のもの:15年
その他のもの:8年
応接セット
接客業用のもの:5年
その他のもの:8年
ベッド:8年
児童用机、いす:5年
陳列だな、陳列ケース
冷凍機付・冷蔵機付のもの:6年
その他のもの:8年
その他の家具
接客業用のもの:5年
その他のもの
主として金属製のもの:15年
その他のもの:8年
ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器:5年
冷房用・暖房用機器:6年
電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器:6年
氷冷蔵庫、冷蔵ストッカー:4年
カーテン、座ぶとん、寝具、丹前その他これらに類する繊維製品:3年
じゅうたんその他の床用敷物
小売業用・接客業用・放送用・レコード吹込用・劇場用のもの:3年
その他のもの:6年
室内装飾品
主として金属製のもの:15年
その他のもの:8年
食事・ちゅう房用品
陶磁器製・ガラス製のもの:2年
その他のもの:5年
その他のもの
主として金属製のもの:15年
その他のもの:8年
事務機器、通信機器
謄写機器、タイプライター
孔版印刷・印書業用のもの:3年
その他のもの:5年
電子計算機
パーソナルコンピュータ:4年
その他のもの:5年
複写機、計算機、金銭登録機、タイムレコーダー、その他:5年
その他の事務機器:5年
テレタイプライター、ファクシミリ:5年
インターホーン、放送用設備:6年
電話設備その他の通信機器
デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備:6年
その他のもの:10年
時計、試験機器、測定機器
時計:10年
度量衡器:5年
試験・測定機器:5年
光学機器、写真製作機器
カメラ、映画撮影機、映写機、望遠鏡:5年
引伸機、焼付機、乾燥機、顕微鏡:8年
看板・広告器具
看板、ネオンサイン、気球:3年
マネキン人形、模型:2年
その他のもの
主として金属製のもの:10年
その他のもの:5年
容器、金庫
ボンベ
溶接製のもの:6年
鍛造製のもの
塩素用のもの:8年
その他のもの:10年
ドラムかん、コンテナーその他の容器
大型コンテナー:7年
その他のもの
金属製のもの:3年
その他のもの:2年
金庫
手さげ金庫:5年
その他のもの:20年
理容・美容機器
5年
医療機器
消毒殺菌用機器:4年
手術機器:5年
血液透析又は血しょう交換用機器:7年
ハバードタンクその他の作動部分を有する機能回復訓練機器:6年
調剤機器:6年
歯科診療用ユニット:7年
光学検査機
ファイバースコープ:6年
その他のもの:8年
その他のもの
レントゲンその他の電子装置を使用する機器
移動式のもの、救急医療用のもの自動血液分析器:4年
その他のもの:6年
その他のもの
陶磁器製・ガラス製のもの:3年
主として金属製のもの:10年
その他のもの:5年
娯楽・スポーツ器具
たまつき用具:8年
パチンコ器、ビンゴ器その他これらに類する球戯用具、射的用具:2年
ご、しょうぎ、まあじゃん、その他の遊戯具:5年
スポーツ具:3年
固定資産の耐用年数|機械・装置
機械・装置
農業用設備
7年
林業用設備
5年
食料品製造業用設備
10年
飲料、たばこ又は飼料製造業用設備
10年
繊維工業用設備
炭素繊維製造設備
黒鉛化炉:3年
その他の設備:7年
その他の設備:7年
木材又は木製品、製造業用設備
8年
家具又は装備品製造業用設備
11年
パルプ、紙又は紙加工品製造業用設備
12年
印刷業又は印刷関連業用設備
デジタル印刷システム設備:4年
製本業用設備:7年
新聞業用設備
モノタイプ、写真又は通信設備:3年
その他の設備:10年
その他の設備:10年
ゴム製品製造業用設備
9年
なめし革、なめし革製品又は毛皮製造業用設備
9年
窯業又は土石製品製造業用設備
9年
鉄鋼業用設備
表面処理鋼材若しくは鉄粉製造業又は鉄スクラップ加工処理業用設備:5年
純鉄、原鉄、ベースメタル、フェロアロイ、鉄素形材又は鋳鉄管製造業用設備:9年
その他の設備:14年
金属製品製造業用設備
金属被覆及び彫刻業又は打はく及び金属製ネームプレート製造業用設備:6年
その他の設備:10年
林業用設備
5年
鉱業、採石業又は砂利採取業用設備
石油又は天然ガス鉱業用設備
坑井設備:3年
掘さく設備:6年
その他の設備:12年
その他の設備:6年
総合工事業用設備
6年
倉庫業用設備
12年
運輸に附帯するサービス業用設備
10年
飲食料品卸売業用設備
10年
飲食料品小売業用設備
9年
その他の小売業用設備
ガソリン又は液化石油ガススタンド設備:8年
その他の設備
主として金属製のもの:17年
その他のもの:8年
宿泊業用設備
10年
飲食店業用設備
8年
洗濯業、理容業、美容業又は浴場業用設備
13年
その他の生活関連サービス業用設備
6年
自動車整備業用設備
15年
減価償却資産の種類と耐用年数まとめ
自動車や機械だけを減価償却資産だと思っていた方は、まず種類の多さに驚いたと思います。
減価償却資産は細かく分かれていますが、ここに記載されていないものもあるため、疑問に感じたら顧問税理士や税務署に直接聞いてみてください。
ちなみに、減価償却資産は「耐用年数=使用可能年数」ではないので、減価償却期間が終わっても使い続けることができます。
その場合、固定資産としての価値はなくなりますが、ものは残っているため貸借対照表に形を残しておかなければいけません。
そこで、残存価格を1円と設定して形を残します。つまり、「これは会社の所有物ですよ。」という表示と同じ意味を持ちます。
ただし、これはモノとして存在する有形固定資産の場合です。無形固定資産の場合は元々形がないため、残存価格は全て償却して0円になります。詳しくは以下をご参考に。
固定資産と減価償却は、難しそうに感じますが、一度理解してしまえば簡単です。
これを理解することで、より賢いお金の使い方とキャッシュフローのバランスの取り方を考えられるようになるはずです。
おまけ:非減価償却資産とは
減価償却資産とは反対の非減価償却資産の説明も必要ですね。以下は減価償却されない非減価償却資産ですが、これ以外の固定資産は全て減価償却によって処理されます。
時間経過や使用で価値が減少しない有形固定資産
・土地
・土地の上に存する権利
地上権、借地権、賃借権、温泉権、耕作権など
・絵画、書画、骨とう等
1点20万円未満の美術品は、減価償却資産にできる
など
無形固定資産の一部
・電話加入権
携帯電話の契約料は除く
・借地権
など
その他の資産
・棚卸資産
・繰延資産
・事業の用に供していない資産(遊休設備資産)
・建設または製作中の資産
など
または、10万円未満の固定資産も一括処理できます。ただし、「少額減価償却資産の特例」によって、30万円未満の固定資産も減価償却処理を行わなくて良い場合があります。
少額減価償却資産の特例に関しては以下をご参考に。