売り手市場のいま、人材をどう確保する?新卒者採用のコツとは

売り手市場のいま、人材をどう確保する?新卒者採用のコツとは

皆さんは売り手市場において、新卒者の採用はどう対応していますか?

この記事は、事業拡大のため、人材確保に力を入れたい社長に向けての情報です。
近年は有効求人倍率は高い水準を保ち、求職者が企業を選ぶ時代になっています。若者は、お金やモノよりも、興味関心やプライベートを重視する傾向にあり、企業は時代に合わせた対応が迫られています。

2019年新卒者の採用においても、若者の特性に合わせた労働条件の見直し、内定者フォローなどの対策が求められます。自分の価値観ではなく、若者が求めることをくみとって対応することで、人材確保につながる可能性が高まるでしょう。

この記事の要点はこの3つ!
1.有効求人倍率が高い水準で推移
2.2019年新卒者が企業に求めること
3.売り手市場における対応策

では、さっそく見ていきましょう。

有効求人倍率が高い水準で推移

売り手市場とは、就活において「売り手」である学生に優位な市場のことをいいます。超売り手市場といわれる時代において、人材不足に悩まされる企業が増え、求職者にとっては追い風が吹いている状況が続いています。企業はこの状況を傍観せず、売り手市場における新卒者採用のあり方を見直していく必要があります。

実際に、有効求人倍率にも、売り手市場であることが反映されています。有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合を示した指標です。この倍率が1を上回れば、人材を探している企業が多いということになります。ここ数年で倍率は増加傾向にあり、平成30年2月の有効求人倍率は1.58倍という高い水準を示しています。

求人、求職及び求人倍率の推移引用元:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000192005.html

売り手市場が続いているため、求職者にとっては職場を選ぶ余地がうまれることから有利な状況となり、内定していても採用辞退をするケースが増加しています。ようやく仕事を手にするのではなく、学生が企業を選ぶことのできる時代になっていると言えます。したがって、どうすれば優秀な人材を確保できるのか、企業は真剣に考えていく必要があるのです。

2019年新卒者が企業に求めること

有効求人倍率が高い水準になることは過去にもありましたが、2019年の新卒者の特性を理解したうえで対策していく必要があります。2000年以降に社会人になる「ミレ二アル世代」の学生は企業の何に魅力を感じるのかをひも解くことがポイントになります。

若い世代における仕事の選び方

高度成長期においては、競争し、努力していくことが重視され、承認欲求のある人が成功する傾向にありました。ところが、ミレニアル世代では、自分のやりたいことや、好奇心に従って仕事を選ぶことが増えてきています。承認されること、社会的地位を得ることよりも、仕事に対する興味関心や楽しさを重視しているといえます。

モノ消費からコト消費へ

若い世代は物欲がある程度満たされており、消費者庁の報告からも、消費の低下が示されています。特に、洋服などでは男女ともに支出額が減少しており、モノにこだわらない若者の姿勢が反映されています。

1か月あたり品目別平均支出額(洋服)引用元:http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2017/white_paper_131.html

近年は自動車を所有したいと思う若者が減っていることはよく知られていますが、「モノ」というよりは、自分がやりたいと思う「コト」を重視するように変化しているのです。

このほかにも、「ライフワークバランス」という言葉が浸透し、プライベートを重視する、ゆとりのある働き方を希望する人が増えているという側面もあります。多くの若者が仕事中心の生活を望んでいるわけではなく、バランスの良い暮らしを求めていることが特徴です。2019年の新卒者にも当てはまるので、売り手市場においては特に考慮する必要があります。

売り手市場における対応策

売り手市場において、企業が優秀な人材を獲得し、採用辞退を回避するにはコツが必要です。企業側の心構えや具体的な対応策についてヒントを得ていきましょう。

[採用辞退を回避するコツ]
・ゆとりを求める若者を除外しない
・労働条件を見直す
・内定者フォローに注力する

ゆとりを求める若者を除外しない

若い世代のなかには挫折経験がなく、「ゆとり」を求めている人も多くいます。高度経済成長期を生き抜いてきた人からすると、甘えているように見えることがあるかもしれません。しかし、こうした人材採用が成功する例も少なくないことは念頭に置いておきたいです。外部から刺激を受けたり、精神的にゆとりを持つことでクリエイティブな仕事ができるという側面があります。採用する側が、「ゆとりを求める」=「やる気がない」と誤解しないことが大切です。

労働条件を見直す

時代のニーズに合わせて労働条件を見直すことは大切です。特に近年は「ブラック企業」や「長時間労働」といったキーワードが社会的に浸透しており、新卒者が敏感になっています。また、内定したあとで「条件が合わない」といわれる事態を回避するためには、一貫した情報開示が必要です。特に採用やフォローに直接関わる人材はよく理解しておきましょう。

内定者フォローに注力する

売り手市場では、内定しても、採用辞退につながるケースが少なくありません。そこで、内定者フォローに力を入れることもトレンドです。「内定ブルー」という言葉があるように、新卒者は仕事や人間関係に対する不安を抱えているものです。懇親会、職場見学、社内イベント、先輩社員との交流などの機会を提供し、新卒者の不安を解消していくことがおすすめです。

企業や採用担当者は、一方的に自分の価値観を押しつけるのではなく、新卒者の特性や状況をくみとって対応していくことが望ましいでしょう。

まとめ

売り手市場においては、若者が企業を選べる立場にあり、企業としても人材確保に向けた努力をしていく必要があります。労働条件の見直しや内定者フォローに力を入れて、魅力を感じてもらえる環境づくりをしてみてはいかがでしょうか。

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