- 1. 融資とは資金調達を行うこと
- 2. 会社の資金調達方法は?
- 3. 資金調達方法1.融資|銀行や信用金庫から
- 4. 資金調達方法2.融資|ノンバンクなどのビジネスローンで
- 5. 資金調達方法3.融資|国民政策金融公庫から
- 6. 資金調達方法4.融資|信用保証協会を通じた制度融資
- 7. 資金調達方法5.融資|友人や家族から借り入れ
- 8. 資金調達方法6.投資|個人投資家(エンジェル)から
- 9. 資金調達方法7.投資|ベンチャーキャピタルからの出資
- 10. 資金調達方法8.投資|クラウドファンディングを通じた個人から
- 11. 資金調達方法9.社債|少人数私募債を発行
- 12. 資金調達方法10.助成金や補助金
- 13. 今から考えておく10の資金調達方法まとめ
融資とは資金調達を行うこと
「うち今ピンチじゃないから、融資の必要はないよ。」
融資=資金調達ではないのですが、資金調達というキャッシュを集める行為は、会社のピンチを救うためだけにあるものではありません。
以前、融資には5つの目的があるということをお話しました。
融資の目的
1.融資は次の事業展開を買うため
2.融資は成長スピードを補う時間を買うため
3.融資はスケールメリットで商売のチャンスを買うため
4.融資は返済実績という信頼を買うため
5.融資は今を乗り切る鎮痛剤を買うため
会社を事業計画に沿って何も問題なく進めていくのは簡単ではありません。その難しさの1つが資金調達だ!と言っても良いでしょう。
そして、資金が必要な場面は突然やってきます。困っている場面だけではなく、強気で攻めたい場面でも、まとまった資金調達は重要な役割を果たします。
もし、余裕がある今のうちに資金調達の方法を1つでも多く知っておけば、確実にあなたの会社の成長を助けてくれるはずです。
今日は、会社経営と事業計画を進めやすくするため、いざというときに会社を守るために知っておくべき10の資金調達方法をお伝えしたいと思います。
会社の資金調達方法は?
会社の資金調達方法は大きく2つに分けられます。
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・負債(デット):返済を伴う資金調達。第三者から借り入れをする方法。
・株主資本(エクイティ):返済の必要が無い資金調達。新株の発行等により自己資本を増やす方法。
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起業したばかりの会社は、歴史のある会社と比べると資本や信頼が少ないため、株主資本で資金調達をすることが難しいでしょう。
その場合、他人から借りる(負債)という選択肢も上手く使いながら成長を目指すケースも多いのです。
当然ですが、他人からお金を借りれば返さなければいけません。そのため、融資を使うことに抵抗を持つ方も多くいます。
ただし、負債でも、株主資本でも、資金調達には手間とリスクが存在します。
資本金と売上だけで成長したいと理想を掲げるのは良いことですが、正しい事業計画さえ立てることができれば、どのような資金調達方法でも会社の推進力になることを理解してください。
では、実際にどのような資金調達手段があるのか見ていきましょう。
資金調達方法1.融資|銀行や信用金庫から
融資で最初に思いつくのは、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける方法です。
ただし、銀行から融資を受ける(プロパー融資)ことは起業当初ではほぼあり得ません。
例えば、信用保証協会などが保証会社になって、銀行はリスクヘッジをします。そのため、審査は銀行だけでなく、保証会社の審査も必要になります。
資金調達方法2.融資|ノンバンクなどのビジネスローンで
ノンバンク融資は先々を考えた経営をする場合、あまりお勧めできるものではありません。
金利は安いところでも3%台、高いところで7%台からです。銀行などの借入に比べて何倍もの金利を払わなければいけません。
もしもノンバンクビジネスローンを使う場合は、一時的なつなぎ融資と考えてください。来月末には入金があるが、今月末の支払いができない場合などです。絶対に癖にならないようにしましょう。
資金調達方法3.融資|国民政策金融公庫から
起業当初の資金調達には国民政策金融公庫が効果的です。
なぜなら信用も企業力もない時に無担保無保証(融資制度による)にも関わらず、事業計画書と手続きだけ(+自己資金)で融資をしてくれる可能性があるためです。
中でも、「新創業融資制度」は審査は厳しいですが、融資額も大きいため、申請を検討する余地はあるでしょう。詳しくは以下をご参考に。
参考:
起業時でも無担保で最大3000万円!新創業融資制度とは
国民政策金融公庫には上記以外にも様々な融資制度があります。あなたの業種業態や現状にマッチした融資制度を探すことをお勧めします。
資金調達方法4.融資|信用保証協会を通じた制度融資
信用保証協会を通じた制度融資も、起業当初の資金調達に効果的な制度融資です。
国民政策金融公庫と同様、様々な融資制度があるので、以下から一度探してみましょう。
資金調達方法5.融資|友人や家族から借り入れ
借入による資金調達としてはこれも忘れてはいけません。友人や家族などからお金を借りるという方法です。
この話を切り出しづらいという方は、事業計画を見直すことをお勧めします。なぜなら、「資金計画さえ問題がなければ、この事業は成功するからお金を借りたい。」という話が前提なはずです。
例え家族や友人と言えども、トラブルになるかならないかは、公証役場を通したしっかりとした金銭消費貸借契約書を巻いているかどうかによります。
資金調達方法6.投資|個人投資家(エンジェル)から
あなたが思っているよりも個人投資家(エンジェル)は世の中に多く存在しています。
私自身は何人かの個人投資家に会ったことはありますが、起業当初に純粋な個人投資家と呼ばれる人に出会う機会はなかなかないでしょう。
ただ、出会う方法の1つとして、以下の様な個人投資家マッチングサイトを使ってみるのはありです。
参考:
投資家と起業家の為のパートナー募集ビジネスマッチング
起業家と投資家マッチング – グッドエンジェル
起業家・ベンチャーのためのエンジェル投資普及促進サイト JVEC
私の友人はあるマッチングサイトを通じて、複数の個人投資家の方に会い、複数の会社で出資を受けています。
私は上記のサイトを使ったことはないため、自己責任でお願いします。
資金調達方法7.投資|ベンチャーキャピタルからの出資
日本でも増えてきたベンチャーキャピタルですが、一言でベンチャーキャピタルと言っても、4つの段階に分かれていると言われています(明確な線引はない)。
もちろん起業初期の方が出資金額は低いのですが、新しいイノベーションが起こる製品や新薬開発などは、最初から数億円規模で投資を受けることも可能です。
ただし、ベンチャーキャピタルからの出資審査は厳しく、よほど大きな将来像と確実性を持っていなければ出資を受けることは難しいでしょう。
また、事業内容や将来性により、ベンチャーキャピタルが要求するリターンも変わってくるので、よく話を聞いてから投資依頼をしてください。
1.シード投資
まだ事業に至っていないスタートアップや製品開発中、または事業計画段階の企業に対して投資する。
100万円~500万円ほど
2.アーリー投資
製品開発が終わり、ある程度事業を始める中で拡大を見越した投資が必要な企業に対して投資する。
数百万円~数千万円ほど
3.ミドル投資
ある程度事業が軌道に乗り、上場を見据えた会社運営が必要な企業に対して投資する。
数千万円~数億円ほど
4.レイター投資
上場を見据えた、もしくは上場間近の企業の価値を上げるために投資する。
数億円~数十億円
資金調達方法8.投資|クラウドファンディングを通じた個人から
クラウドファンディングとはアイデアに対して、個人からの投資を募るためのマッチングの仕組みを言います。
ITインフラが発達した今、市場から資金を調達するための新しい手法として注目を浴びています。
参考:
READYFOR? (レディーフォー)
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
FAAVO(ファーボ)
MotionGallery(モーションギャラリー)
ShootingStar (シューティングスター)
クラウドファンディングサービスは、探せばまだまだあると思います。
資金調達方法9.社債|少人数私募債を発行
社債には、公募債と私募債の2種類が存在します。
公募債は、金融機関などの機関投資家が有価証券として発行し、資金を集める方法のことです。お察しの通り、公募債はハードルが高いため、起業当初どころか中堅企業以上にならなければ考える必要はないでしょう。
もう一つの私募債ですが、こちらは50人未満に対して、総額を1億円未満とした社債のことを言います。私募債であれば、機関投資家や有価証券報告書などの届け出がなく発行できます。
募集の対象者は社長個人、社長の親族、知人、社員、取引先などの縁故者です。
私募債のメリット
・取締役会の決議のみで発行出来、償還期限や利息、発行金額が自由に設定できる。
・借入と比較した場合担保や保証人が不要。かつ、償還時迄の資金繰りが当面楽である。
・社債管理者の設置が不要(会社法702条、同法施行規則169条)であるため、管理手数料などのコストが省ける。
・金融商品取引法で義務づけられている有価証券届出書等複雑な届出が必要ない(金融商品取引法2条3項、同法施行令1条の4・1条の6・1条の7)。
・自治体によっては、利子補給等、優遇策がある(例: 文京区の制度)。
資金調達方法10.助成金や補助金
起業当初の助成金や補助金は、税理士や社労士の力を借りて、申請できるものは全て申請しましょう。
助成金・補助金は返済の必要が無いお金なので、知らないこと自体がデメリットです。
手付金+成功報酬、または成功報酬のみで請け負ってくれる税理士や社労士もいるので、効果的に活用できます。
ただし、助成金や補助金は条件にマッチしていても、申請からお金がもらえるまでに半年、1年はざらです。短期的な資金繰りにはそぐわないため、長期的な視野で考えるようにしてください。
特に重要な助成金・補助金は以下をご参考に。
また、以下のサイトから使える助成金・補助金を調べることができます。
参考:
資金調達ナビ|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
今から考えておく10の資金調達方法まとめ
資金調達には、様々な融資の種類や融資以外の方法があることがわかっていただけたと思います。
それぞれ資金を調達する方法や特徴が違うため、いつどのようなタイミングで使ったら良いのかは顧問税理士に確認を取ってください。
特に助成金は、”今”しか使えないかもしれません。後から発見して後悔をしないためにも、こまめに顧問税理士や社労士などに確認をとって探してもらうのが良いと思います。