社員、従業員、職員は意味が違う
あなたは、社員、従業員、職員の意味の違いを知っていますか?どれも同じように聞こえるかもしれませんが、実は3つとも意味が違います。
「うちの社員は~~」
「うちの従業員は~~」
「うちの職員は~~」
と社長は言いますが、間違って使っている場合があるのです。確かに、意味が通じれば良いとは思いますが、使い方を間違っていると、社長として少し恥ずかしい……のかもしれません。
そこで今日は、社員、従業員、職員の違いを解説したいと思います。
ちなみに、会社と企業と法人の意味も異なります。以下をご参考に。
企業は、個人事業主も法人も含みます。そのため企業数は?と聞かれると、412万8215存在するということになります。「法人企業」であれば、個人事業主は省きます。
会社は、法人のみです。そのため会社数は?と聞かれると、170万存在するということになります。
また、法人には普通の会社から、農業法人、社会福祉法人、NPO法人、独立行政法人など色々あり、全てが営利活動を目的としているわけではありません。
つまり、会社と企業と法人の中では、会社の数が一番少ないということになります。
社員とは
自社に所属している人たち、自分の部下たちのことを呼ぶ場合、一般的に社員や従業員と呼ぶことが多いですね。
ところが、社員とは元々働く人たちのことではなく、株主のことを指します。英語では、employeeです。
今では俗称として、一般の法人企業と正規雇用契約を結んでいる労働者のことを社員と言うようになりました。
そのため、「うちの社員は~~」という言い方をした場合は、「うちの」は株式会社(有限会社)にあたり、「社員」は正規雇用された人たちである、ということになります。
ただし、あくまでも俗称であるため、契約書等、正規の公文書に「社員」を使うことはできません。
また、合資会社や合同会社の場合は、明確に、「社員=出資者」のことを指しています。そのため、出資した分の責任を持った人たちが社員という扱いです。
従業員とは
では、従業員とはどういう意味でしょうか。従業員は、雇用契約によって雇われて業務に従事している人のことを指します。
つまり、正規・非正規問わず、働いていて賃金・手当などを受け取っている人たちを表す場合は、「うちの従業員は~~」と言うのが正解です。
ちなみに英語ではemployeeなので、社員と従業員は英語では同じ意味になります。
従業員は、非常勤の役員、使用人兼務役員扱い、顧問、パート、アルバイトなども含みますし、個人事業主に雇われている場合も含みます。
つまり、個人経営(個人事業主)の八百屋で働く人は、従業員ということになります。
職員とは
最後に職員とは、会社組織以外の法人(行政法人、社会福祉法人、宗教法人など)や団体、学校、官公庁など、国や地方公共団体に所属して、働いている人たちのことを指します。
つまり、公務員は全般的に「職員」ということです。ちなみに英語では、staffです。
ただし、こちらも俗称で、従業員と同じ意味で使うこともあるため、会社の社長が「うちの職員は~~」と用いても、俗称レベルでは間違いではありません。
員の意味は?
社員、従業員、職員の違いを見て、気づいた方もいると思いますが、全て「員」を使っています。
員とは、何らかの役割を割り当てられた人を表す際に用いられる接尾辞のことです。つまり、働くという役割を与えられた人達に「員」が付きます。
行員とは
行員は、銀行に所属しているため、行員と呼びます。
局員とは
局とは、主に役所などでの組織機構上の一つのことです。局員は、交通局、水道局、統計局などの国の機関に所属しているため、局員と呼びます。または、郵便局、放送局などの呼称の組織に所属する人も同様です。
所員とは
所とは、特定の仕事のために設けた場所や機関のことです。所員は、法律事務所、司法書士事務所、研究所などに所属しているため、所員と呼びます。
署員とは
署とは、強制的な執行権限を持つ組織のことです。署員は、警察署、税務署、消防署、労基署などに所属しているため、署員と呼びます。
店員とは
店とは、商売を行うための建物のことです。店員は、店に所属しているため、店員と呼びます。
社員、従業員、職員の違いまとめ
このように、社員、従業員、職員には、それぞれちゃんとした意味があります。
一般的な株式会社であれば、公式文書を作成する場合に使う「従業員」さえ気をつけていれば、俗称として社員、従業員、職員のどれを使っても大きな問題ありません。
最近では、自社に所属する従業員の呼び方にも、横文字が増えてきていますね。例えば、スタッフやクルーです。
この辺りはイメージの問題なのですが、社員や従業員と呼ぶと、経営者に対して下の立場の人達というイメージを持つことを嫌う方がスタッフやクルーを使っているようです。
もし、社員、従業員、職員の呼び方を区別するのが面倒なら、スタッフやクルーを使っても良いでしょう。
何となく、今っぽくて新しい企業体のような気も……しないでもありません。
何となく、画期的な技術を持っていそうな気も……しないでもありません。