営業力が低いワケとは?考えられる5つの原因
「営業力」とはどんな力でしょうか?
皆さんがイメージされるのは、例えば
- 商品の説明を上手に行える力
- 丁寧に対応できる力
- 要望を聞き出せる力
だと思います。
私が考える「営業力」は、ズバリ「継続的に商品やサービスを売る力」です。
「分かっとるわ~!」という声が聞こえそうですが、ポイントは「継続的に」です。
なぜなら、新規顧客だけ獲得し続けることは限界が来ます。
また、それでは顧客獲得コストが高くなりビジネスになりません。
PayPayのように赤字覚悟で莫大な広告費を使っている企業もありますが、それは顧客を囲い込むための戦略です。
通常のビジネスは、PayPayのような獲得方法は採用できませんよね。
その為、獲得した顧客にリピート購入していただくことが重要になります。
リピート率が上がれば、当然販売数は増えていきます。
結果、「多く売れる = 営業力がある」になるのだと思います。
逆に言えば「営業力が低い」とは、新規顧客の獲得率が低いだけではなく「リピート購入率」が高くないという意味なのです。
何と比較して「高い、低い」はさておき、自社の営業結果から「確かに」と思うところは皆さんあるはずです。
以降は、なぜ営業力が低いのか、考えられる原因を説明いたします。
原因①:営業担当者同士で競争構造になっている
経済が右肩上がりの時は、やった分だけ売上が上がる時代でした。
その為、企業は営業マンに発破(はっぱ)をかけ「ガンガン」営業をさせました。
営業マンは当然競争し合うことになります。
事実それで売り上げは上がりました。
その結果、営業マンは「自分が作った顧客は、自分の手柄」という発想が出来上がります。
私も古い営業マン気質なので、この発想はよくわかります。
そして、営業成績を比較され営業成績の良い営業マンは自分のポジションを守るために、営業マン同士が足を引っ張る構造になってしまいます。
しかし、今は「連携して顧客を見つける時代」です。
営業担当者同士が「足を引っ張り合う競争」では、いつまで経っても「営業マンの属人化」はなくならないのです。
原因②:顧客情報が部署内で共有できていない
昔ながらの営業マンは「自分が作った顧客は、自分の手柄」という発想があります。
その為、営業マンが転職すると顧客がその営業マンに引きずられて転職先の企業と契約するなんて話はよく聞きます。
この傾向が非常に高かったのは保険業界です。
営業マンは自分の顧客リストを持って転職します。
企業も顧客リストありきで営業マンを採用します。
その為、多くの顧客を持っている営業マンは転職時の年俸は非常に高いです。
新規顧客を開拓をするコストを考えると、顧客を持っている営業マンを採用する方が安いからですね。
その為、営業マンは顧客情報を他の営業マンに教えたくないという心理が働きます。
「自分の力で顧客を見つけてきた」という発想なので、「自分の客」ぐらいに思っています。
そうなれば、当然顧客情報が部署内に共有される内容は限定的になります。
実は、顧客情報が共有されないことで一番困るのはお客様なのです。
営業マンが退職したり、長期療養に入り営業対応が行えない場合、お客様の状況を知っているのは担当の営業マンだけになります。
また、営業マンが口約束していた場合はトラブルになります。
これでは、リピートで注文をもらうことは難しくなりますし、フォローの営業活動(人件費)も増えてしまいます。
その結果、代わりの営業マンに負担がかかり、対応した営業マンは自分の案件に力を入れることができず失注率が上がるという、「数字に表れない損失」を企業は追っているのです。
今後は、デジタル営業が進みます。
デジタル営業にシフトできない企業はジリジリと売上を落とす結果になります。
原因③:アプローチすべき顧客に対応できていない
昔は、アプローチすべき顧客の判断は難しかったです。
なぜなら、営業マンの「感覚」で進めていたからです。
マネジャーも担当の営業マンが「こちらの顧客の方が重要」と報告を受ければ尊重するしかないです。
その結果、アプローチすべき顧客に対応できていないことが多々あったのかもしれません。
つまり、売上につながる為の「優先順位」が間違っているのです。
今は、「連携して顧客を見つける時代」です。
その為、ニーズに合った顧客に対して効率的にアプローチしていくので営業マンの属人化が起こりにくい構造になります。
更に、顧客管理ツールを利用して顧客情報の共有化が進めば、どの顧客にアプローチする方が効率的なのか「見える化」出来ます。
>>【事例で学ぶ】営業活動を効率化させるべき理由と具体的方法!
原因④:成果が出ている営業手法が落とし込めていない
購入されるまでには、「売れるパターン」があります。
営業マン毎に少しずつ違いますが、大まかな「成功パターン」が存在します。
この「成功パターン」が分からないと試行錯誤で進めることになります。
その結果、各自の営業マンが「感覚」で商品やサービスを売り込みます。
商品やサービスは、売り込む先と時期(タイミング)で売り込み方が変わります。
状況が変わると、今まで興味を引いていた機能があまり興味を持たれなくなります。
この変化に気づかずに、昔と同じやり方で売り込みをしても結果は思うように出ません。
つまり状況に応じた営業手法に「落とし込めている営業マン」と「落とし込めていない営業マン」がいるのです。
この落とし込めていない営業マンを作らないためにも、営業マネージャーが「売れるパターン」に目を光らせる必要があります。
では、どうすればよいのか?
「落とし込めている営業マン」の営業スタイルを研究するのです。
今は、いい時代になり、オンラインで主流になりつつあります。その為オンライン内容を録画することができます。
訪問営業の場合は、この手法ができませんがその場合でも営業マンの売り込みトークを聞き出すのです。
この「落とし込めている営業マン」の行動をコンピテンシーと言います。
つまり「売る為のやり方」ですね
うまくやっている人の方法を研究して、分かりやすいトークに落とし込み、共通の営業方法として確立していくのです。
今は、むやみやたらに営業するのではなく、連携して顧客を見つける時代なのでコンピテンシーが効果を出しやすいのです。
もちろん、営業マンの特性や良さがあるので、まるっきり同じにする必要はありません。
基本的な「パターン」を営業マンに学ばせ、後は各々がアレンジを加えていけばよいのです。
この基本的な「パターン」を営業マネージャーがウォッチして状況に応じて変えていくのです。
原因⑤:営業プロセスにおいてPDCAが回せていない
なぜ、PDCAが回せていないのでしょうか?。
それは、PDCAを回す目的をマネージャーが理解していないのではないでしょうか。
PDCAを回す理由は、「売れるパターンを常にブラッシュアップ」する為です。
言い換えれば、営業マンが成約しやすいパータンを常に見つけ出す為です。
具体的には、
- 仮説を立てて
- 実行してみて
- 結果から原因の仮説を立てて
- また、試してみる
の繰り返しです。
その結果、このシナリオなら売れるという法則を見つけ出すのです。
その為にPDCAを回すのです。
PDCAを回すにはマネージャーが案件の状況を把握する必要があります。
マネージャーは仮説を立てられるところはどこかを常に見つけ出す気持ちで商談状況をヒアリングします。
今は、営業をインサイドセールスとフィールドセールスに分けて進めることが多くなりました。
インサイドセールスを含めて、PDCAを回すことで「売れるパターン」をより組織として実現することが可能になるのです。
営業力を強化する際に必要になること
営業力は、「継続的に商品やサービスを売る力」と説明しましたが、継続的に販売する為には、営業マンひとりの力では、どうにもなりません。
具体的には、販売後のサポートです。
納品して、お客様が利用し始めると想定外のことが起きます。
例えば、
- 納品が遅れたり
- 不具合の商品が発覚したり
- 営業マンが口頭で説明したことが正しく伝わっておらず納品物が違う
なんてことは、日常的に起こります。
これらのトラブルは、正直ゼロにはなりません。
重要なのは、トラブル発生後にどれだけ早く動くかです。
早いアクションは、営業マンがひとりではどうにもなりません。
組織として対応する必要があり、早い対応により顧客の信用を失わずリピート受注につなげることが可能になります。
以降では、素早い対応が行える為に組織としてどのような取り組みが必要なのかを説明します。
組織としての営業力を強化する際に必要なこと
顧客情報は常に見える化しておく
まずは、基本ですが顧客情報の共有です。
登録すべき情報は、受注履歴情報です。
- いつ(時期)
- どんな商品を
- どれだけ
購入されたのかです。
同じように、メンテナンス履歴も管理します。
「受注履歴やメンテナンス履歴はもう管理している。」とおっしゃる方も多いと思いますが、その情報を1つの画面から横断的に閲覧できる仕組みになっていますか?
よく聞いてみると受注履歴情報とメンテナンス情報が別々に管理されているケースが多いです。
また、同一システムだったとしても、関係者が直ぐに情報を確認できるでしょうか。
単なる「見える化」では、必要な時に情報が見つからず結局手元のメールの中を確認するという経験ありませんか?
この手の話はよくあり、登録しているのに結局ほとんど使われないという悲しい状態になってしまいます。
情報は貯めるだけではなく、活用できる状態にしておく必要があります。
それが、営業力につながります。
営業担当者の活動履歴や案件の進捗を一元管理する
受注履歴やメンテナンス履歴等は受注以降の情報ですが、受注にいたるまでの過程を一元管理することも重要です。
活動履歴はよく言われる日報に近いものですが、「報告の為の記録」にすぎず形骸化しているケースが多いです。
そうなると、営業マンの貴重な時間を無駄に浪費しているだけです。
私が日報を書いていたころ、日報を報告したとしてもマネージャーからアドバイスをもらえるわけでもなく、レスがあるわけでもなく「何の為に毎日イヤイヤ書いていたのだろう?」と思っていました。
日報の役目は、「次にやるべきタスクを整理する」ためだと今は考えています。
商談内容を軽くメモし、「いつまでに何をする」を記録しておくのです。
それも、商談が終わったタイミングで5分程度で書き上げるぐらいのライトなものです。
外出が多い営業マンなら、スマホで隙間時間に記録すればよいのです。
記録したタスクや活動メモをチームで共有できれば、それがそのままコンピテンシーの記録になります。
商談を他の営業マンに引き継ぐときにもグッと楽になります。後任者も把握しやすいですよね。
欲を言えば、
- どんなメールを送ったのか
- 商談で使ったファイルはどんなものか
- 商談の議事録
などが商談に紐づいて一元管理されていれば、受注後の後工程(メンテナンス)にも大いに役に立つのです。
定期的にミーティングを実施する
人数にもよりますが、ミーティングは短い時間で週2回程度で行える内容にするのが良いと思います。
私の経験から、営業ミーティングで商談毎の細かい発表大会はあまりいい効果を生むとは思えません、、。
営業ミーティングは、営業マンの不安や困りごとをマネージャーに伝え、マネージャーがその場で方向性や改善の為の方針を指示する時間であるべきです。
その為、週1回ではなく2回を目途に進めるのがちょうどよいと思います。
その時間内に終わらない場合に、30分程度の別ミーティングをセッティングします。
今は、リモートで集まるケースが多くなったので、必要なことだけパッパッと伝えて方針決めをしてもらい次のアクションに移っていく。
このリズム感がこれからの営業スタイル(デジタル営業)だと思います。
実績を元に成約率の高い営業プロセスを構築する
成約率の高い営業プロセスにはPDCAが重要です。
そして、PDCAには仮説を立てる為の実績値が必要になります。
この実績値は、活動履歴や案件進捗を分析して導きます。
具体的には、
- どんな見込顧客の場合に
- どんな商材説明を行うと契約率が上がるのか
を見つけ出します。
「成約率の高い営業プロセス」を見つけ出す際に、私が行っているのは受注できたお客様に「なぜ注文をしてもらえたのか」ズバリ聞いてしまいます。
聞き出すタイミングは、注文書をもらった後すぐぐらいです。
一番フラットに話をしてくれます。
皆様も聞いてみてください。
お客様さまの声は「最高の実績値」です!。
営業ナレッジを社内に共有する文化や仕組みを作る
社風とか、企業文化とよく聞きます。
社風や企業文化を大事にする経営者は多いです。
営業のナレッジをためるのも企業文化です。
「何を大切にするのか?」が重要になりますが、技術者を大切にする企業には記録を残す文化が根付きます。
しかし、営業職の強い企業は社内共有の文化が定着しないパターンが多いです。
それは、「自分の客は自分のもの」という営業マンの意識が根底にあるからです。
その為、重要なことはあまり口外せず、そっと自分の中に隠しておきます。
営業成績で比較されているので仕方ないのかもしれませんが、、、。
まずは、この文化を壊し「チームで顧客を探すという文化」を根付かせる必要があります。
そうでなければ、いくら情報共有が重要だと言ったところで営業マンには響きません。
上司が先回りして営業担当のサポートを行う
営業ミーティングは、営業マンの不安や困りごとをマネージャーに伝え、マネージャーがその場で方向性や改善の為の方針を指示する時間であるべきと説明しました。
ミーティングで聞いた報告をもとに、他部門への申し送りとサポート依頼につなげることができるからです。
例えば、営業マンから「既存顧客対応で新規顧客へのアプローチができていない」と聞けば、営業マンが持っている案件をインサイドセールスに戻します。
新規顧客が他に目がいかないようにつなぎの対応をさせておく、或いはニーズの再聞き込みを行い営業マンが聞き出せなかった情報をパスさせるといった気遣いがマネジャーには必要です。
マネージャーは営業マンのアクションが悪くなっていたらそこを見つけ出し取り除く、或いは軽くしてあげることが重要です。
個人としての営業力の強化に必要なこと
ここまで、「営業力の強化」を組織として強化させる方法を説明してきましたが、以降では、営業マン自身が営業力を強化する方法を説明します。
成果の出ている営業手法を取り入れる
シンプルかつ、分かりやすい方法です。
成功している人のやり方を学ぶというより「盗み取る」ぐらいの気持ちです。
成功している人のやり方を取り入れない人の傾向は、過去の成功体験から抜け出せない方です。
「今までこれでやってきた、あんな方法は邪道だ!」ぐらいに思っているので自分のやり方を変える為の意識改革が必要です。
チームで「連携して顧客を見つける時代」は、ツールの有効活用によりいかに情報を共有してマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスの各々がやるべき仕事を進めるのかがポイントになります。
その為、成功している人の営業手法を共通化して、営業マン全員にそのやり方になじませることが重要です。
活動や実績を定期的に振り返る
過去の営業活動や実績から学べることは多いです。
成約率の高い「成功パターン」を確立してそのパータンに沿って営業マンは営業を進めます。
しかし、一言一句同じトークをするわけではありません。
営業マンは、自分の特長を活かしたトークを自分なりに作り出すことは当然行うべきです。
インサイドセールスからパスされた見込客の傾向を考え、見込客の規模や業種から商品説明を行う際の流れ(順番)を変えるといった工夫を営業マン自身が行うべきです。
その為にも、定期的に活動や実績を振り返り、「あの時の受注までの流れは、イケてた!」と感じればその商談を日報から思い出せばよいのです。
情報は、共有だけでなく「自分自身の改善」の為にも使うべきなのです。
企業理解を深めて顧客目線で提案する
企業理解を深めるとは、ホームページで業種や希望を把握するだけではありません。
ホームページで業種や規模から、どんなシナリオで商品説明をすべきかを想像するところまで含めて「企業理解を深める」になるのです。
シナリオを考えると、「そういえば、この会社の業務とうちの商品を関連づけてトークできないかな?」といった発想が浮かんできます。
その結果、企業の業務を調べることで、商談前の準備が進みます。
人は、「自分に興味を持っている」と感じると相手を好意に見る傾向があります。
つまり、うちのことを調べているなと思えば、担当者の方から「こんなことできる?」と聞いてもらえます。
取引が長い企業ならなおさら、企業の内情を知っているのでそこを加味しながら顧客目線で提案ができますし、企業の担当者もそこを期待しています。
企業の担当者から、ニーズを引き出すためにも事前に「シナリオを想像し、準備する」。
これが顧客目線につながります。
準備段階で、商談の成功は半分決まっているのかもしれませんね。
ヒアリング力と仮説構築力を高める
同じ業種でも悩み所が同じではありません。
ちょっとした違いに気付きそこを「深堀できる」ことが重要です。
その為には、ヒアリング力を磨く必要がありますが、実は難しいことではありません。
「なぜ、会ってもらえたか」を想像するのです。
そして、商談の初めにやんわり、「なぜ、会ってもらえたのか」を聞いてしまうのです。
企業の担当者も、「何か情報が得れる」と思うから時間を作る気になるのです。
そして、「こんな話が聞けるかな?」と勝手に期待を持ちます。
その期待の部分が何かをズバリ聞いてしまうのです。
持ちろん、担当者の知りたいことが違っていても、最後には「なるほど」と思わるトークができればよいのです。
その時のコツは、「利用シーン」と「機能説明」の説明順です。
利用シーンを説明することで、自分が想像した情報と違っていても興味を持ちます。
そして、「なぜこのような使い方ができるのか」を説明することで「なるほど!」と感じてもらうのです。
もちろん、初めからスペックが知りたいのあれば機能から説明すべきです。
「なぜ、会ってもらえたのか」を想像すればどこから話をすれば分かりますよね。
もう一つ、重要なのは、相手が話始めたら、「聞き手に回る」ことです。
機能説明から始めるリスクは、「自分の詳しい分野を話過ぎてしまうこと」です。
営業マンが話すぎると、担当者が聞き手になってしまい、ニーズを聞き出すこと会出来ません。
実は、担当者も心の中では話に飽きてきます。
そこに、気づかないと「いっぱい説明したけど、担当者が乗ってこない、、、、」という商談結果になってしまいます。
業界や商品の専門的な知識を深める
ヒアリングには、担当者と会話できる知識が少なくとも必要です。
営業マンによくあることは商品機能は詳しいけど、その商品を「どう使うとよいのか?」を説明していないことです。
業界特有の文化やお作法があり、そこを知らないと、「理屈は分かるどけ、それだとうちでは使えない」という落とし穴にはまってしまいます。
その為、専門的な知識を持つことは重要です。
但し「知ったかぶり」はご法度です!。
役割を絞って成果最大化に専念できる環境を作る
幅広い業務を一人で対応すると業務の出来に濃淡が出ます。
例えば、新規顧客のテレアポをしつつ、既存顧客への対応といった場合、既存顧客対応が優先されるのでテレアポは後回しになります。
これは仕方がありません。
営業マンも人なので、同じようなレベル感で全ての業務を行うことは不可能です。
その為、最新の営業手法では、
- 見込客顧客の発掘
- 見込客のニーズヒアリング
- ニーズに合わせた商談(クローズ)
の役割を明確にします。
営業マンは、ニーズに合わせた商談に集中することで、成果を最大化します。
この3つのステップで注目は、インサイドセールスの役割です。
なぜなら、マーケターと営業マンの懸け橋になる役割だからです。
マーケターからパスされた「ニーズに濃淡のある見込客」を精査し、時には時間をかけて興味を引き出し営業マンにパスします。
インサイドセールスの作業があるから、営業マンはニーズに沿ったシナリオを想像し事前準備が行えるのです。
その結果、成約率が上がり「組織の営業力が強化」されるのです。
営業力の強化にすぐに繋がる施策と方法
営業力の強化に特効薬はありませんが、少なくとも結果が出る施策や方法があります。
キーワードは「情報の共有」と「役割分担」です。
以降は営業の情報共有に特化したツールの説明と役割を実践する為の方法を説明します。
SFA(営業支援ツール)を取り入れる
SFAは「セールス・フォース・オートメーション」の略です。
営業マンの属人化した情報を社内財産にする為のツールです。
営業マンとマネージャーという2人の間で情報を共有することを目的としているので、最新の営業手法にはマッチしていませんが、紙で行っていた営業日報やスケジュール管理からは飛躍的に効率的です。
但し、営業マンの属人化を防ぐ目的なので営業マンが登録する項目が多く、正直画面を開いただけで、「は~」とタメ息をつきたくなります、、、。
私が昔のSFAしか知らないので、SFA提供ベンダーさんごめんなさい!。
CRM(顧客管理ツール)を取り入れる
CRMは、「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略です。
最新の営業手法(デジタル営業)向けに設計されたツールです。
SFAが、主に営業マンとマネージャー間での情報共有を目的にしていますが、CRMはマーケター、インサイトセールス、フィールドセールスの3者間の情報共有を目的にしています。
受注までの管理が目的ですが、最近のCRMでは、フィールドエンジニア(メンテナンススタッフ)も作業内容を書き込める仕組みがあり、請求関連の業務以外の顧客に関わる情報を全方位的に記録するツールに進化しています。
>>【中小企業向け】おすすめCRMツール5選!低価格・無料ツールも紹介
フェーズごとに担当を分けて専門化する
フェーズとは、
- 見込客顧客の発掘
マーケター - 見込客のニーズヒアリング
インサイトセールス - ニーズに合わせた商談(クローズ)
フィールドセールス(営業マン)
です。
絞り込まれた業務は、業務フローを作りやすく業務担当者による「結果のバラツキ」が減らせます。
フェーズからフェーズへの連続した業務の積み重ねが営業力の強化につながるので、専門化することにはメリットがあります。
マーケティングは、業務独自のノウハウや、ITツールの習熟が必要なので「今まで営業マンでした!」という方がすぐに担当するのは難しいですが、インサイトセールスは、今まで営業マンでしたという方が即戦力になります。
10人いる営業マンの半分をインサイドセールスに回すといった事でもよいと思います。
>>インサイドセールスのやり方とコツ!成功・失敗した事例も解説
実践に近い形式での営業ロープレや研修を行う
ロープレや研修は昔からありましたので、説明は不要だと思いますが、ロープレのやり方を間違えると育つ新人も育たなくなります。
新人には少しでも早く、「成約という成功」を体験させるべきです。
その結果、営業マインドがまるっきり違ってきます。
昔は、ベテラン営業と新人がペアーになりベテラン営業マンのやり方を横で見て覚える時代でした。
今もこの傾向は続いています。
このやり方だと、業務のやり方は学べても、売れるパターンを多く学べません。
吸収力のある新人の時ほど、成功パターンのロープレを多くさせておくことが重要です。
昔と違い、今はITツールが非常によくなったので、成功している営業マンのトークを動画にとって、ロープレの参考にすることが容易になりました。
特にデジタル営業では、基本オンライン営業なので動画は容易に取れます。
ロープレを行うときのポイントは、顧客ニーズを良く知っている人が顧客役を行うことです。
なぜなら、顧客ニーズを知っている営業マンは「こんなニーズの時には顧客はこんなことを言い出す」という経験をしているからです。
その経験をもとに、顧客の会話と応対する時の会話の両方を加味しながら顧客役を行います。
その結果、「このキーワードを言い出したら、こんな話を聞く」というセットのトークスクリプトが完成します。
この方法が、新人さんには最も効果的です。
営業担当者の評価制度を変えてみる
昔は、売り上げ額が高い評価ポイントでした。
この評価方法が、営業マンの情報共有の妨げになっているのです。
「自分の顧客の自分のもの」的は発想なので当然です。
しかし、連携して成約を勝ち取る体制に変えることで、営業マンの評価のポイントは
- ニーズに対してどのようなアクションを行えたか
- 行った結果をチームに共有したか
- 共有した情報がどのように成約につながったのか
を評価することが重要になります。
つまり、営業マンは、チームメンバーとして「どれだけ成約に貢献したアクションをとったか」を評価される時代になったのです。
マニュアルを作成してアップデートし続ける
PDCAを回した結果、何かしらの「改善」が浮き彫りになります。
その改善をドキュメントに落とし込むことが重要なのはわかっているが、以外にこれができない、、、。
作ることはできてもそれを営業マンが理解して行動に移せないのが現実です。
そもそも、アップデートされたことすら気づいてない営業マンもいます。
私が、このような相談を受けた場合にお勧めしているのでは、問合せ管理ツールの活用です。
「マニュアルアップデートと全然違うじゃん!」と思われますが、以外に効果ありです。
なぜなら、年配も新人も「知りたいことは検索する」という発想が体に染み込んでいるからです。
だからとって、マニュアルをPDFファイルにしてそれをファイルサーバに保管して検索するという発想は難しいです。
自分が知りたいシーンにあったファイルがどれかわからないからです。
そこで、マニュアルを説明する為の記事をWeb記事として作成します。
その記事内からマニュアルファイル(PDFファイル)を参照する方法にします。
この方法を以外に簡単に実現できるのが「問合せ管理ツール」です。
問合せ管理ツールには、FAQ機能が搭載されていることが多いです。
その為、知りたいシーン毎に質問(Q)と回答(A)を載せます。
これで、質問に対する回答ページが問合せ管理ツール内で検索できます。
その結果、自分が欲しい情報を見つけ出せます。
また、問合せ管理ツールには、質問をWebフォームで受け付ける仕組みも搭載されています。
質問は、メールではなくWebフォームから入れるように周知します。
その結果、社内からよく来る質問をWeb記事にしておけば社内ナレッジにもなります。
後は、マニュアルがアップデートされたことを周知する方法を考えるだけです。
昔は、マニュアルを作り周知させることは片手間作業でした。
今はいかに担当者が決められた手順でタスクをこなしていくかが重要になりました。
その為、変更された業務プロセスをいかに周知させるのか、またわからない場合は自分で探し出す方法を準備するかは「営業力の強化」の重要なミッションになりました。
営業力を強化する7つの方法まとめ
ここまで、読んでいただきましてありがとうございます。
「営業力の強化」は企業の永遠の課題です。
昔のようにバリバリ売る営業マンが必要な時代は終わりました。
今は、チームで連携して顧客を見つけて受注を獲得するのです。
この方法こそが、安定した売上を作る方法なのです。
今までのやり方とは大きく代わります。
- 体制の変更
- 意識改革
- PDCAによる改善の周知
どれも簡単にはいきませんが、今まさに変革の時期に入っています。
デジタル営業を用いた新しい営業方法にシフトすることで、ジリジリ落ちる売上をV字回復させ安定した経営を実現させましょう!。