Zoho CRMと類似・競合CRMを概要で比較
Zoho CRMは、Zoho Corporation社が提供するクラウドサービスで、シンガポールの企業です。
グローバルに展開しています。
元々は、アドベントネット株式会社で、2009年に製品名である「Zoho」(ゾーホー)に社名変更しました。
ネットワーク管理ソリューションに特化したソフトウェアコンポーネントの開発を行っていたのでソフトウェアの開発にはしっかりした基盤があるんですね!。
そう言われてみれば、ZohoCRMの画面の感じがネットワーク系アプリを感じるのはそのせいかもしれません、、、。
(個人的な感想です)
15年以上前から提供されてきたZohoCRMですが、類似・競合のCRMの中でどのような企業に向いているのか以降で説明いたします。
Zoho CRM
Zoho CRMは、下記のような非常に幅広い機能をそろえています。
無料プランから揃えているので気軽に開始できます。
また、これだけの機能が最上位プランでも5,400円から利用できるのでコスパの良い製品です。
機能一覧
- 連絡先&アカウント管理
- 営業とマーケティングのアクティビティ
- CRMカスタマイズ
- メールマーケティングキャンペーン
- マーケティングメール到達率
- カスタマイズ機能
- チームコラボレーション機能
- AI(人工知能) 機能
- セキュリティ機能
- モバイルアプリ
気になる機能
私が気になる機能はSFA機能に含まれるインベントリー管理です。
インベントリー管理機能には下記機能が含まれています。
- 商品
- 価格表
- 見積書
- 受注書
- 請求書
- 仕入先
- 発注書
自社商品をマスターとして登録し、見積書・受注書・請求書の作成まで行えます。
下記が見積書の閲覧フォームと入力フォームです。
【閲覧フォーム】
【入力フォーム】
作成した見積書をPDFに出力しました。
販売管理ソフトと遜色ない機能なので、ビックリです。
グローバルで販売している企業なので、値段を抑えられるのですね~。
すごい!。
Zoho CRMが向いている企業の特徴
安価に顧客管理を行いたい企業向けです。
特に見積作成から請求書発行まで行えるので、起業数年の会社にとっては営業系ツールが安価に使えるので嬉しいツールです。
半面、マーケティング系機能はそれほど充実しているわけではないのでWebから新規顧客を獲得したいという企業には、物足りなさを感じると思います。
freshworksCRM
freshworksCRMは、freshworks(フレッシュワークス)社が提供するクラウドサービスで、インドの会社です。
グローバルに展開しています。
元々は、Freshdeskという社名でした。
顧客からの問い合わせを受けるカスタマーサポートツールを提供していましたので、画面周りの操作性には開発当初から力を入れています。
確かにシンプルで使いやすい画面です。
FreshworksCRMの前バージョンであるfreshsalesを提供したのが2016年で、最新バージョンにアップグレードしたのが2021年です。
僅か、6年ですがグローバルで利用されているツールです。
freshsales発売の翌年にFreshworks社に社名変更しました。
本記事の製品の中では最後発製品ですが、他社ツールを研究して作られているのでいいとこ取り製品になっています。
freshworksCRMは、下記のような非常に幅広い機能をそろえています。
残念ながら無料プランはありませんが、無料トライアル中、準備されているどのプランでも利用できるので、試したい機能を気軽に使うことができます。
>>FreshworksCRM(Freshsales)とは?料金や口コミ・評判、機能を解説
機能一覧
- 連絡先&アカウント管理
- 営業とマーケティングのアクティビティ
- CRMカスタマイズ
- メールマーケティングキャンペーン
- マーケティングメール到達率
- マーケティングジャーニービルダー
- ランディングページ
- データ管理者
- 営業メール
- 電話
- その他メッセージチャネル
- ウェブサイト統合
- データのセキュリティとガバナンス
- 統合
- モバイル
エントリープランであるGROWTHプランは3,200円からとZohoCRMのプロフェッショナルプランとエンタープライズプランの中間ぐらいのプライシングになっています。
パッと見ると、ZohoCRMの方が安いのですが、freshworksCRMはGROWTHプランに標準で通話機能と充実したマーケティング機能そして、チャットボット機能が搭載されています。
更に、ランディングページビルダーがついているのでオシャレな商品説明ページを簡単に作ることもできます。
その為、とってもコスパの良いプランです。
通常これだけの機能を別製品でそろえると月額1万円ぐらいしてもおかしくありませんが、3,200円なのでびっくりです。
グローバルな企業は資金力があるのでほんとすごいですね!。
気になる機能
私が気になる機能はマーケティングジャーニービルダーと通話機能です。
マーケティングジャーニービルダー機能には下記機能が含まれています。
-
- ウェブフック
Freshworks CRMから他のウェブアプリに情報を送信する機能
-
- アクティブなマーケティングジャーニー
顧客の獲得、エンゲージメントを自動化できる一連のステップ機能
-
- ライブ追跡
ジャーニー内の連絡先の状況をリアルタイムで把握する機能
下記は、ジャーニーを設定する画面です。
指定したURL(ランディングページ等)に訪問された場合に50%OFFのメールキャンペーンを設定し、閲覧者の登録情報を更新する例です。
(こんなジャーニーは普通設置しませんが、説明用なので!)
【ジャニー】
ジャーニーのテンプレートメールが用意されているのは嬉しいですね!。
テンプレートの設定内容を見ればどんなことができるのかも視覚的に確認できます。
【ジャニーテンプレート】
ジャーニー作成時に利用するキャンペーンメールもビルダーが準備されているのでリッチなHTMLメールを簡単に作成できます。
テンプレートの種類も豊富なので、選ぶのに困ってしまう感じです!。
【メールビルダー】
連絡先画面を開くと上部に「通話」ボタンが表示されるので、ここをクリックすると発信します。
着信も可能です。
【電話】
freshworksCRMが向いている企業の特徴
安価に顧客管理とWebからの新規顧客獲得を行いたい企業向きです。
電話機能がついているので「インサイトセールス体制」をつくりデジタル営業を進めたい企業にはピッタリです。
画面も使いやすい為、IT系ツールになれていない方でも直ぐに慣れることができます。
hubspot
HubSpotは、HubSpot(ハブスポット)社が提供するインバウンドマーケティング、セールス、カスタマーサービス向けのソフトウェア製品で、アメリカの会社です。
グローバルに展開しています。
HubSpotの中でもCRM機能に関しては、「Sales Hub」という製品になっています。
「Sales Hub」は、下記のような非常に幅広い機能をそろえています。
機能一覧
- 連絡先&アカウント管理系機能
- CRMカスタマイズ系機能
- マーケティング系機能
- ウェブチャット機能
- ミーティング設定機能
- ABMツールとオートメーション
- 見積作成機能
- モバイル
Sales以外の製品をパッケージしたSuite提供を進めています。
金額はZoho、FreshworksCRMに比べると高いプライシングになっていますがMA機能が充実しているのでその分だけ価格が高い設定です。
ニーズによってはコスパが良いです。
気になる機能
私が気になった機能は、見積作成機能とABM機能です。
ZohoCRMのように受注書や請求書は発行できません。
【見積作成】
下記がABM機能です。
どのように利用するかまで確認できませんでしたが、マーケティングに使われる機能なのでマーケティングが便利になりそうです。
【ABM】
※画像はhubspot社画像を転用させていただきました。
hubspotが向いている企業の特徴
マーケティングに力を入れたい企業向きです。
画面はフラットデザインで見やすいですが、ITツールになれていない方には戸惑います。
全般的に上級者向けツールです。
salesforce
salesforceは、セールスフォース・ドットコム社が提供するCRM製品です。アメリカのサンフランシスコが本社です。
CRM製品のガリバー的存在です。クラウドサービスでありながらカスタマイズできる領域が非常に広く「なんでもできるCRM」というイメージです。
機能が多いのでカテゴリ一覧をピックアップします。
カテゴリ
- Customer 360
- 営業支援
- カスタマーサービス
- eコマース
- アナリティクス
- インテグレーション
- プラットフォーム
- モバイル
セールスフォース製品は基本的にカスタマイズして使うものです。
その為、インテグレーション費用が必ず発生します。
インテグレーションもセールスフォースの販売パートナーが行います。
やりたいことは全てできるけど、お高いです。
気になる機能
私が気になったのは、ジャーニーマッピング機能です。
FreshworksCRMのジャーニー機能が使いやすいので、セールスフォースのジャーニー機能はどんな使い勝手か気になります。
デモを見る限りだと直感的に使えて良さそうです。
【ジャーニーマッピング】
※画像はセールスフォース社画像を転用させていただきました。
salesforceが向いている企業の特徴
コストが高くても、業務の効率化を実現したい企業向きです。
潤沢な予算があればセールスフォースはとても良い製品です。
Zoho CRMと他社CRMのスペック比較
Zoho CRMと他社CRMのスペック比較をまとめました。
(私の主観的ポジショニングです!)
ZohoCRMは、見積作成~受注・請求まで機能が揃っているので営業業務支援を「高」に、但しマーケティング系機能が他社に比べると少ないので「中」レベルに位置付けました。
FreshworksCRMは、電話やチャットボット、ジャニーがはじめから最適化された状態でセットアップされているので新規顧客獲得を「高」レベルにしましたが見積書等の機能がふくまれていないので営業業務支援を「中」よりやや上のポジショニングです。
セールスフォースは全方位に機能が揃っております更にカスタイマイズ性が高い為、営業業務支援と新規獲得で「高」レベルに位置付けています。
料金・価格の比較
機能が同一でないので、料金・価格の比較をするのは非常に難しいです。
やりたいことが明確ならどの製品もコスパはよいと思います。
セールスフォースはインテグレーション前提である為、見積依頼をしないと明確な金額は分かりませんので割愛します。
ZohoCRM
プランが5段階あり、無料プランから準備されています。
また、無料プランには3ユーザまで利用できるので、お得です。
しかし当然ですが、利用制限がありますので、企業で本格的に顧客獲得やマーケティングを行いたい場合には機能が足りません。
しかし、製品の雰囲気をつかむには非常にありがたいプランです。
見積作成等はプロフェッショナルプランから準備されています。
freshworksCRM
プランは3段階です。
GROWTHプランでも通話機能、チャットボット、ジャニー等のマーケティング機能が利用可能です。
通話機能はスマホ同様に電話番号を別途取得する必用がありますが、通話する為の設定は不要です。
通話機能はPBXのような営業時間外のフローを設定できるので結構本格的です。
プラン毎に登録できる件数が違ってきます。
HubSpot
プランは3段階です。
最低ロット数があります。
但し1ユーザ単位にしてもお安い価格設定になっています。
HubSpotはMA機能が豊富なのでその機能の一部でも利用できることはお得感を感じます。
顧客管理機能(CRM)の比較
ZohoCRMはじめ比較している製品の顧客管理機能は商談状況を把握する為のパイプラインを複数登録でき、連絡先、アカウント、商談(ディール)の関連付けもスムーズに行える為、CRMとして活用する場合はどの製品でも要望を満たせます。
マーケティング機能(MA)の比較
マーケティング機能には単独製品としてMAツールを提供しているメーカーもあるのでCRMをどのように活用するのかメーカーの考えが反映されています。
例えば、FreshworksCRMはインサイトセールスを行いたい企業向けの立ち位置を考えているので、Webから新規顧客を獲得して問い合わせを受け、インサイトセールスが電話をかけてフィールドセールスにパスするという使い方を想定された導線づくりになっています。
営業支援機能(SFA)の比較
セールスフォース以外では、おそらくZohoCRMが最もSFAに力を入れています。
見積、受注、請求、領収書発行まで、準備されているので、ほぼ販売管理システムが丸々搭載されているのと同じです。
販売管理をエクセルで管理していた会社には魅力的な製品です。
CRMの失敗しない選び方
CRMの失敗しない選び方のポイントは下記3つです。
- そのツールで自社の課題を解決できるか
- 使いこなせる人材がいるか
- 費用対効果が見込めそうか
特に自社の課題を解決できるのかは、費用たい効果につながるので重要な要素です。
>>CRM導入で効果が得られない要因とは|失敗させないポイントも解説
以降で、それぞれのポイントを説明します。
そのツールで自社の課題を解決できるか
自社の課題を把握することがまず重要ですが、私が皆様によくお伝えしているのは下記を参考に、大枠の課題をリスト化し、目標値を決めてもらうことです。
リストアップした課題が解決できるのかをツールの機能と比較してください。
何を優先的に解決したいのかが分かれば、ツールの選定が進みます。
使いこなせる人材がいるか
そもそも話になりますが、使いこなせる方がいるのか重要です。
なぜなら、ツール利用が定着しないからです。
最近ではWebからの新規顧客獲得のニーズが高まってきているので、CRMを使いこなすにはマーケティングの知識や多少の経験が無いと「ツールに何を設定するとよいのか分からない、、、」という結果になります。
それは非常にもったいないですね。
ただ、知識と経験が無いとまるっきり使えないというわけではありませんので、できるだけ使いやすい画面設計になっている製品を選んでください。
費用対効果が見込めそうか
何を課題として解決するか次第で、費用対効果が変わりますがおすすめとしては、小さくはじめてください。
具体的には3人程度から始めるのをおすすめします。
費用対効果を本当に感じるのは数年経った時なので、ライトなプランを使いマッチしてないと判断したら別のツールに乗り換えることを繰り返すでもよいと思います。
「いくつかの製品を実運用する中で、自社に合ったツールを見つけていく」と初めから方針を決めれば検討フェーズが長くなりません。
検討フェーズが長いと、結果、導入が見送られるという「やらないリスク」に陥ります。
無料トライアルで自社に合ったツールを選ぼう
今回ご紹介した4製品とも無料トライアルが提供されています。
Webから申し込んで直ぐに利用できます。
昔なら考えられませんが時代が変わりました。
無料トライアルを準備して気軽に使える状態にメーカーが対応するのは今や当たり前になりました。
なぜなら、クラウドサービスはサブスクビジネスなので長く使ってもらわないと意味がありません。
納得して使い続けることがメーカーにとっても利用者にとってもよいことですね!。
Zoho CRMと他社CRMの比較まとめ
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
本記事で紹介した4製品はグローバル展開している製品なのでどれも安心して利用できます。
ZohoCRMはバランスの良い製品なのでおすすめですが、ニーズによっては他社CRMと機能比較をすることをお勧めします。
MAツールに期待したいのであれば、HubSpot、新規顧客獲得とインサイトセールスを使ったデジタル営業を目指すのであれば、FreshworksCRMです。
無料トライアルをうまく活用して自社の課題にマッチした検討をお勧めします。
今の時代は、「やらない」がリスクです。
実運用でとにかく「使ってみる」という選択が「正解」なのだと思います。